エンスー車売却顛末記
メルセデスベンツ280SL
この車両、売却までたどり着くのに試練がありました。このコラムでは書ききれないため、なにかの機会にご紹介したいと思います。
購入された方はもう一台280SLを所有されているエンスージアストの方です。
エンスーの杜ドナドナ欄での担当者浅川氏による紹介記事である。この車の売却にあたっては浅川氏と共になかなか楽しい思い出を作らせてもらったので、氏に先だってここにまとめておこう。
■事の始まりは2月。顧問先Cさんから、お母さんの乗っていた280SL(73年式)を廃車にするのでナンバーを外すのを手伝って欲しいと頼まれた。前々からこの車の行く末を考えていた(相談も受けていた)のだが、見るのは初めてだ。ずっと屋根のある車庫でシートをかぶっていたからか思ったよりずっときれいで、乗りたい人がいるかもしれないと思った。エンジンもブースターケーブルをつないだらすぐにかかった。そこでいくつか業者を当たってみたが、思うような返事がない。たまたま「エンスーの杜」サイトを教えてくれた仲間があり、浅川氏に電話してみる。まともそうなので(浅川さん、失礼!)、Cさんにつなぐ。
■エンスーの杜は担当者が取材した記事をサイトに掲載し、買いたい人が担当者を通じて見に来るというシステムである。で、4月3日取材と相成った。浅川さんの来る前にフクピカで掃除すること30分。埃だけだから、見違えるほどきれいになる。が、その日はケーブルの持ち合わせがなく、エンジンがかけられない。やむなく車庫に入ったまま取材してもらう。たっぷり1時間ほどかかった。この日トランクからお母さんの雨傘が出てきた。ラブリー!なもので、お母さんの在りし日が思われる。内容に注文を付けて修正してもらったりしたのでUPは月末になった。
記事はこちら。
■6月、見たい方が神奈川から来て、立ち会う。若いカップルと、当地の友人(エンスー車の目利き?)の3人組である。しかしバッテリをつないでもかからず、押しがけに挑戦。昔は何度かやったものだが、近年そんな機会はオートバイを含めて全くない。3人で押す。いい感じなのだがクラッチをつないだ途端に押す力が足りなくなってしまう。(坂道だったのかもしれないということになっている。車庫まで押し戻してきたときの方が楽だったので。)数回試して駄目なので、ガソリンがないのでは?という結論に達した。が、燃料タンクのキーはCさんの自宅(取りに行くには半日かかる)にあり、やむなくその日の作業はおしまい。あとで春に捻挫した足首が痛む。
■6月末、今回購入してくれたUさんが、動かないことは承知の上で見に来るというので、Cさんの代理で立ち会う。このときは外観を見ただけだがいたく気に入ってもらえたようで、長時間の立ち話となる。
■7月初め、Uさん、2度目。ガソリンは浅川さんが用意してきてくれた。が、走行不能でがっかり。バッテリ充電することにして浅川さんに持ち帰ってもらう。
■7月中旬、集合の予定だったが雨のため延期。こういう日に限ってこの予定のためにオートバイで活動しており、散々。
■7月下旬、大阪の方が見に来るのでCさんの代理。バッテリは新品になり、浅川さんの用意してくれたナンバーを付けて、ようやく公道を走ることが実現。白煙を上げながら(大阪の方の言:ブルーインパルスのよう)走る姿を見てあんまりうれしく、思わずCさんに電話した。
■翌日Uさん試乗のため、連日Cさんの代理。Uさんは信号のたびにエンストしても大満足の様子だったとは助手席に乗った浅川さんの言。
■9月、購入の意志を固めたUさんに最終確認の意味で幌の状態を見てもらい、売買が成立する。幌を出した様子はCさんも初めて見るのだそうで、何枚も記念撮影する。CさんはUさんに会うのも初めてである(それなのに遠乗りしたら写真送ってね、なんて頼んでいる)。当初の予定通りレッカーを呼び、これからリフレッシュドックに入るべく、修理工場へ連れて行ってもらう。見送る気分は娘の卒業式のようだ。いや??、長かった。浅川さん、ありがとう。お買いあげくださったUさん、ありがとう。終わっちゃてちょっと残念。
現在、車はまだ修理中である。