未来工業の型破り経営論を聴く
「残業ゼロで、年間休日は140日。しかし、経常利益は15%以上で、給料は地域ナンバーワン」そんな岐阜の上場企業、未来工業の創業者である山田昭男氏の講演を聴きにいってきました。
山田さんは現在は取締役相談役。80歳とは思えない活きの良さで、その哲学を語られます。以下に、その要約をしてみたいと思います。
前提として、会社は金儲けをしなければならない。何のためかというと、一つは従業員にいい暮らしをしてもらうため、もう一つは納税によって社会貢献をするためである。
しかし世の中の会社の99%は儲かっていない。上場会社といえども経常利益はわずか3.5%だ。だから、世の中の会社とは逆のことをしてみようと思った。
やったこと。
・ホウレンソウ禁止。食べるのは身体にいいが、報連相はいらない。相談役という名前だが暇だ。
・成果主義禁止。サボっても給料は同じ。
・ノルマ禁止。
携帯電話禁止。
・残業禁止。勤務時間は8時半から16時45分。年間の労働時間は1600時間だ。
夏休み20日間、盆休み10日間、お客さんには怒られるが、たくさん休む。兼業は禁止しない。社員は、給料ももらって、飛騨の観光地でアルバイトをして喜んでいる。
社員ががんばらないと、会社は儲からない。
社員ががんばるには「えさ」が必要だ。えさには、
・まあまあの給料。友達と比べてまあまあと思える給料。給料が低いと思ったら社員は働かない。
・社長も自分の金で車を買う。社有車に乗って遊んでいるのでは社員のやる気がなくなる。
・定年は70歳。安心して働ける。
・育休は3歳まで取れる。
・作業服自由。作業服代として現金を支給する。
・毎年の社員旅行は、5年に1回は海外に行く。社員800名に1億5000万使う。
社員のコスト意識を徹底教育して、こういう職場環境が成り立っている。素晴らしいの一言である。