10年前の年賀状

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自宅にある写真やノートを、少しずつデジタル化して処分しています。その一環で今日は2002年の年賀状を整理しました。おかげで本棚が文庫2冊分くらいすっきりしました。これから暇を見て過去20年分くらいあるはがき類を処分していきます。実は今まで作業してこなかったのは、筆まめに取り込もうとかいう、ハードルの高いことを考えていたからです。実際、事務員さんにやりかけてもらいましたが、効率も悪く長らく中断していました。また、裏面に名前のない人も多く、今回はそういうものには私の手書きで差出人名を入れたのですが、そんな簡単なことを思いつかずにきたからです。
まずは、私の年賀状。写真は独立直前、保険会社での最後の優績者旅行で訪れた、思い出の神戸で撮ったものです。文章は「100歳リスク」と「(年をとったという自己)認知年齢の上昇」について書いており、開業直後、自宅を拠点とし、ふらつきながらも懸命な様子が読み取れます。「たくさんのわらじをはいて」云々と書いています。勉強のため頻繁に上京し、新幹線に乗る経費はなくいつも夜行バスでした。
作業は130枚ほどの年賀状を8枚ずつ並べてPDF化したのですが、全部は捨てられず、10枚ほど紙のまま残しました。8枚はこの10年のうちに亡くなった人のものです。私より若い人のものは1枚もありませんが、同じ時代を生きた人たちばかりです。なかでも広告会社時代におつきあいのあったレストランの支配人の添え書きが胸に刺さりました。「昨年は私にとって空白の1年でした。」
病に伏せていたのだったか、商売が厳しかったのか、思い出せませんが、その後私は会いに行ったんだろうか、どうしたんだろう・・・と気になります。フレンチを愛し、ポルシェを愛し、饒舌な文章を書く人でした。病気を持ち、早世の兄を持ち、笑顔の中にいつも寂しさがありました。私の友人、知人にはほとんどいないタイプです。彼のことをいつか書いてみたいと思って、もう何年立つのでしょう。

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