手元供養

死んだらお墓に入るものという見方が変わりつつあります。「千の風になって」が大ヒットしたのも、「先祖代々のお墓には入りたくない(入れたくない)」「(積極的な形で)自然に帰りたい(帰らせてやりたい)」と思う人が増えてきた背景があるのでしょう。もしかしたら「チャングムの誓い」に出てくる散骨のシーンに共感したという向きもあるかもしれません。
その流れの中で、故人の遺骨を手元に置いておく「手元供養」が認知されつつあります。「手元供養には様々な形がありますが、骨壺にこだわるもの(これはお墓に入れる場合もなんでしょうが)や、粉末にして焼成するものが主なものではないかと思います。
昨日訪問した「エターナルジャパン」社は、手元供養の草分け的存在。リタイヤメントセミナーでお話ししたことも多いのですが、遺骨を粉砕・加工してメモリアルプレートなどを制作するサービスを行っている会社です。私の訪問目的は猫の遺骨をパウダー加工してもらうためで、取材目的に訪問したわけではありません。
最初に驚いたのは、エレベーターを降りたところに社長の野澤氏が待っていたこと。死の周辺ビジネスだからでしょう、最初はいささか硬い表情でしたが、私がセミナーで取り上げたりしていると話すと、その志を話してくださいました。 

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野澤氏がビジネスを始めたのは9年前。私と同じく、基本的に無宗教。また、流されるのはお嫌いな性格のようで、葬儀社や寺院のビジネスを調べていったら思うところも多かったそうです。

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最終的な形はいろいろありますが、最初は遺骨をパウダーにするところからです。遺骨から不純物を取り除き、白いパウダー状にしてガラスのカプセルに収めます。パウダーの色は個人差が出て、白といっても茶色っぽいものや青っぽいもの、様々だそうで、見せてもらったものも一つ一つ違った色をしていました。大きさは球の直径により、4.5センチ、6センチ、10センチとあり、人の場合だいたいは大きいので全部収まるのだそうですが、なかにはきれいでなくていいからとにかく全部粉にして納めてほしいという人もいて、12センチの特大サイズがあります。火葬後の収骨に関しては、私も言いたいことがたくさんあって、野澤さんと意見交換しました。
うちの猫については今回パウダー加工までです。2つの骨壺に分かれてしまったこと、骨を見えるようにしたかったこと、ふさふさした白い胸の毛をイメージできる形にしたかったこと、手にとって見ることができること・・・にパウダーがぴったりだったからです。お客様の中には透明のガラスで骨が見えるのを嫌う人もいたそうですが、野澤さんの考えでは透明の方がいいという結論になったそうです。私もそれで正解だと思います。

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パウダー加工した後、焼成してプレートにしたものがエターナルプレートです。遺骨を70%以上入れて焼成し、プレートにした後、名前や顔写真を彫刻します。これも骨によって、色づけとは別に、できあがりの色に個体差が出るそうです。マーブル模様も作れるのは?とお尋ねすると、意識的にではないが偶然できたことはあるとのことでした。
プレートならさりげなくリビングにおいて、人が集まったときに故人が一緒にいられる、という趣向です。
猫ちゃんの写真を入れたのはこんな感じ。

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ペンダントへの加工もあります(上手に撮れませんでしたが、色は5色あります)。旅行の好きな夫婦だったなら、亡くなったつれあいを首にかけて一緒に旅するというのもいいと思います。プラチナ製はちょっと重いです。石の表面に写真が入るともっといいのではとお尋ねすると、現在の技術ではあまりきれいに入らないそうです。
話が粉に戻りますが、散骨について。山での散骨は、私有地でなく、公序良俗に反しなければOKと野澤氏。ただ、私は富栄養化が少し気にはなります。課題としたいと思います。
エターナルジャパンのホームページはこちら

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