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ご相談例

就業規則

いざというとき、トラブルを防止する就業規則。しかし、その必要性を感じていない企業はまだまだたくさんあります。H社長も最初はそうで、就業規則を作成しようと考えられたのは助成金をもらうためでした。

H社長 「70歳まで定年延長すると助成金がもらえるみたいだね。」
佐藤 「社長、情報早いですね。社長のところのように従業員10~99人の会社だと、70歳まで定年延長するか定年廃止にすれば「中小企業定年引き上げ等奨励金」で120万円の助成になります。65歳までの定年延長なら60万円です。助成金は返さなくていいお金だから、もらえればうれしいですよね。」
H社長 「それにはまず就業規則を届けておかなきゃならないんでしょ? 届けておいて、そのあと定年延長してまた届ける。」
佐藤 「よくご存知ですね!」
H社長 「実は僕、雇用開発協会の説明会に行ってきたんだ。」
佐藤 「そうでしたか。」
H社長 「んでもって今ある就業規則を持って監督署に行ったんだけど、労働時間が1週40時間に収まっていないから受け付けられないと言われてしまったんだ。指導では休日のところを工夫すれば40時間に収まるでしょうと言われたんだけど、全然ピンとこなくって。」
佐藤 「1ヶ月とか1週間を平均して40時間に収まるような決まりにすればいいんですよ。変形労働時間制といいます。社長のところで当てはめられるかどうかはもう少し詳しく業務の状況をお聞きしなければなりませんが・・・。」
H社長 「それなら、そういう就業規則を作ってくれる? 助成金をもらうためのものだから、あとはなるべく簡単でいいよ。」
佐藤 「社長、就業規則はトラブル防止のためのものですから、なるべく労使相互に誤解のないように作っておいた方がいいですよ。たとえば解雇した社員が、それは就業規則に定めがなかったから不当解雇だと言って訴えてきたらどうします? たとえば入社1ヶ月の社員が業務外の病気になり、そのまま何ヶ月も休業したいと言ったらどうします? たとえば社員の私用メールを見つけたので注意したらプライバシーの侵害だと逆切れされてしまったらどうします?」
H社長 「そうだな~、そういうときに就業規則ではこうなっている、といえる方がよさそうだな。」
佐藤 「そうでしょう? この機会に、事業防衛にフォーカスした就業規則を作っておきましょうよ。」

高齢者雇用編

就業規則の届出が無事終わり、H社長は今度は高齢者の雇用にも関心を持たれたようです。

H社長 「就業規則も変更したし、高齢者を雇ってみようと思う。いま60歳の人なんだが、ばりばりやってくれそうな人が見つかって、うちに転職してくれるようお願いしているんだ。給料の金額によっては年金がなくなっちゃうそうだけど、いくらくらいの給料にしたらいいかな。」
佐藤 「団塊の世代は使える人も多いですからね。本人希望は幾らくらいなんですか?」
H社長 「今の会社、60歳になる前は50万くらいだったけど、60歳になったら28万円になったと言ってたな。うちとしてはボーナスなしでならもう少し出してもいいと思って35万円でどうかと打診してみようと思ってるんだけどね。」
佐藤 「大雑把に言えば年金の1月分と給料の1月分を合わせて28万円を超えれば年金のカットがあります。このとき給料の1ヶ月分には前1年の賞与の額の12分の1も足して計算します。また、1ヶ月の給与が60歳時の75%未満に下がったとき、ハローワークから雇用継続給付がもらえます。これは給料の上限が約34万円なので、35万の給料だとぎりぎりなくなっちゃいますね。ボーナスありにして年収ベースでは同じだけど月給は34万円以下にして雇用継続給付をもらった方が本人の手取りは増えますね。会社の損得はありませんし。」
H社長 「へえ、それは知らなかった。」
佐藤 「実際は雇用継続給付をもらうと年金もさらにカットされますし、年金のカットは賞与の額にも影響されます。また給与の額によって社会保険料や税金も変わってきますので、詳しくシミュレーションしないと正しい答えが出ません。」
H社長 「そんなに複雑なものだったのか・・・やはり年金は難しいな。ぜひ、シミュレーションをお願いするよ。」

生命保険編

会社で加入した生命保険、個人で加入した生命保険。それぞれどのような契約になっているのか、任せきりになってはいませんか? H社長は知人の入院から生命保険に関心をもたれたようです。

H社長 「知り合いのN社長が1月入院して何十万円かの生命保険をもらったんだけど、会社の雑収になっただけだったってぼやいてた。会社で生命保険に入っても仕方がないのかなあ。」
佐藤 「そうでしたか。入院給付金は個人でもらえば非課税だったのに、会社がもらえば雑収入になってしまいますし、会社から見舞金としてもらうにも「社会通念上」妥当な10万円程度までが損金として認められる範囲ですからね。社長の入院によって会社の売上が減る分を生命保険の雑収入でカバーするという考えでないならば、医療保険や入院の特約は個人契約にしておいた方がいいかもしれません。」
H社長 「死亡についてはどうなの? 僕は会社と個人とで1億ずつ入ってるけど。」
佐藤 「1億っていうのがくせものですね。ある社長さんは災害死亡の上乗せを含めて1億、病気死亡だと5,000万だったのに、どちらも1億と信じ込んでいましたよ。
それと、いつまでその1億は続くのですか?」
H社長 「確か、一生変わらないと思ったけど・・・。」
佐藤 「途中で切れてしまって困る前に、保険期間を確かめる必要がありそうですね。ところで会社で入ってる保険は何のためですか? 一般的に会社が社長にかける保険は、借入金・運転資金対策、これは事業を継続するか否かで変わってきますが、それと社長の退職金、自社株の買い戻し費用等ですね。会社が死亡退職金をいくら出すかは自由に決めていいですが、損金として税務署が認める金額には上限があります。それに社長は資産家だから相続のことも考えないといけませんよね。死亡退職金は、みなし相続財産として非課税枠がありますし、生命保険の死亡保険金にも非課税枠がありますので、こういうのは最低でも利用できるようにしておきたいですよね。」
H社長 「そうか、そんなことは考えてもみなかった。」
佐藤 「社長の退職金は死亡されたときだけではありませんよね。ご勇退のときに備えて退職金の積立も生命保険を使って効率的にされていますか。」
H社長 「そうなってるはずなんだけど、いままで保険屋さんと家内に任せきりにしてきたんでよくわからないな。」
佐藤 「社長の保険は会社契約と個人契約と全部見てみないとほんとうの無駄取りが難しいですね。一度棚卸しをされてみてはいかがですか。それに社長の思いによって会社の保険も個人の保険も形が変わるものですからね。」